③「福祉・介護サービスに対する知識」の勉強
ケアマネージャーさんに任せっきりではいけません!
これも在宅医療では非常に重要で、かつ絶対に必要な勉強になってきます。
在宅医療の場合、病院のように「これでこの病気も治ったからもう通院しなくていいよ」ということはほとんどありません。
様々な病気を持った方が、「病気とともに」生活をしているのです。
そしてその生活をサポートするために、私達在宅医は病気の管理も行いながら関わっていきます。
もちろん、そのサポートとは医療的なサポートだけでは足りません。
介護ベッドや手すりなどの物的なサポート、ヘルパーや訪問入浴などの人的なサポートなども必要になります。
様々な福祉・介護サービスを使用して、患者の生活の手助けを行っていくわけです。
医者にとっては関係ないと思われるかもしれませんが、そういったサポートを考えるのはケアマネージャーだけではありません。
私達医師としての視点からも、患者にとって何をサポートしてあげたらより良くなるかを考える必要があるのです。
しかし、そもそも自分達医療者がどのような福祉・介護サービスがあるのかを知らないと、最適なサポートをすることができません。
そのためにも福祉・介護サービスについての理解が必要なのです。
患者の金銭的な負担も考えよう!
そう、次の「④診療報酬の勉強」ともかぶりますが、患者や家族の金銭的な負担を考える意味でも福祉・介護サービスの知識は必要になります。
医療や介護を受けるには当然ながら、患者の金銭的な負担がかかります。
しかし病気と向き合っている方の負担を少しでも減らすために、日本にはいろいろな社会保障制度があるのです。
難病指定制度であったり、身体障害者制度であったり。
みんなが安心して医療を受け、生活もできるように色々なサポートが用意されているのです。
ただし、これらのサポートは残念ながら、国の方から「あなたにはこんな制度がおすすめですよ」などと声をかけてくれることはほとんどありません。
ですので、一番近くで患者を診ている医療者だからこそ、このような福祉・介護サービスについてもよく勉強し、アドバイスできなくてはいけません。
患者さんの体を診るだけでなく、生活全体(金銭的な生活環境も含めて)を見てサポートを考える。
これが在宅医療の大変なところであり、一番やりがいを感じる醍醐味でもあると私は思います。