④「診療報酬の知識」の勉強
在宅の診療報酬は、在宅医の「必須科目」です!
開業医でもない在宅医も診療報酬の勉強をしないといけないの?
結論から言います。
訪問診療の場合、診療報酬の知識は医療事務の方や、開業している医師だけが勉強するものではありません。
なぜなら先ほども言った様に、医療や介護には基本的に患者の金銭的な負担がかかります。
よっぽどのお金持ちの方ならいざ知らず、ほとんどの人にとってお金は有限です。
お金がないから、患者が必要な医療が受けられないような事態は絶対に避けなければいけません。
限られた資源の中で、患者に必要な治療を提供するためには、在宅医自身に診療報酬の知識が無ければいけません。
この方は健康保険が何割なのか?
高度医療費の上限がいくらなのか?
訪問看護は医療保険で入れるのか?
などを常に考えながら治療を考えていくのです。
どうやって勉強するの?
訪問診療の診療報酬については様々な本が出ていますが、わたしのおすすめは超有名な「たんぽぽ先生の在宅報酬算定マニュアル」です。
医療法人ゆうの森 たんぽぽクリニックの永井康徳先生が出されている本で、訪問診療の診療報酬の仕組みを非常にわかりやすくまとめられております。
(7月に2020年度改訂版が出るようです。)
とはいえ訪問診療を始めてすぐに読んでも、正直なかなかわかりにくいと思います。
ですので、個人的にはある程度実際に訪問診療を行い、訪問診療の全体像が見えてから勉強をするのが良いかと思います。
そして実際に診療をしていく中で、その都度調べていくのが良いと思います。
たとえば、在宅医学総合管理料・施設入居時等医学総合管理料などの基本的な部分から始まり、様々な在宅療養指導管理料などを、自身の症例に照らしながら調べていきます。
ある程度そのような断片的な知識を持ってから、本書のような系統立った良書を読むと、一気に視野が広がるのがわかります。
点と点だった知識が、一気に線でつながれていく感覚です。