在宅医療を受けるには[在宅医の見つけ方完全ガイド]
在宅医療を受けたいと思った時、在宅の先生はどうやって探したらいいでしょうか。
今回の内容を最期まで読めば、あなたが在宅医療を探す際にどこに相談に行ったら良いのかがわかります。
それではさっそく始めていきましょう。
そもそもなぜ在宅のクリニックは探しにくいの?
あなたは家の近くにどんな在宅クリニックがあるか知っていますか?
いざ探そうと思っても意外になかなか見つからないと思われます。
なぜでしょうか。
それは、たとえば普通の外来のクリニックであれば、患者の目のつきやすい駅前や主要な道路沿いなど目立つところにあることが多いです。
患者さんが見やすく、来院しやすいところを選んでいるからです。
しかし在宅を中心に行っているクリニックは、医者自身が車で訪問診療に伺うので、クリニックの立地は実はあまり関係ありません。
そのため少し奥まったところにクリニックを構えていることも多々あるからです。
ですので、あなたが自分の足で探そうと思っても意外に見つかりにくいのです。
本題:ではどうやって探せばよいか。
では、そんな隠れた在宅クリニックを探すのにどのようにしたらよいか、具体的に説明していきます。
まずは在宅医療を受けたい方の状況に応じて、以下の4つのパターンに分けて考えるとわかりやすいです。
あなたが(もしくはあなたの家族が)どこに当てはまるのかを考えながら、読んでみてください。
①開業医のクリニックに通院している場合
②病院に通院、もしくは入院している場合
③それら以外の場合
④番外編
です。
では、さっそくそれぞれ説明していきます。
①開業医のクリニックに通院している場合
開業医のクリニックに定期的に通院している方は、まず普段みてもらっている先生に相談してみることをお勧めします。
というのも、普段クリニックで外来を行っている先生も、意外に往診もしている先生が多いからです。
ただし、普段の外来の合間や外来終了後に往診されているため、基本的にクリニック周辺の患者さんが中心になります。
ともあれ、何年も自分をみてくれている先生が往診に来てくれるとなると、それほど心強いことはありません。
ですので、一度聞いてみることをおすすめします。
また、もしその先生が往診をしていなかったとしても、近隣の在宅クリニックを紹介してくれることが多いです。
開業医の先生が往診をしておらず、また近隣の先生も紹介してもらえないときは…
この先の③それら以外の場合を参照してください。
②病院に通院、もしくは入院している場合
次に、もう少し大きな病院(一般的に入院病床のある病院クラス)に通院、もしくは入院している場合です。
これらの規模の病院になってくると、たいてい“医療連携室”や“医療相談室”などといった相談窓口が用意されています。
少しややこしいのはこの相談窓口の名前は病院によって違います。
先程の”医療連携室・相談室”以外にも“退院相談室”や”退院支援センター”など様々な名称があります。
しかし、いずれにしても病院の事務や先生・看護師さんなどに「今後在宅医療を受けたいので相談できるところはありますか?」と訪ねたら、これら相談窓口を紹介してくれます。
そして、これらの相談窓口には通常「医療ソーシャルワーカー」という方がいることが多く、相談に乗ってもらえます。
「医療ソーシャルワーカー」というのは、病院と他の医療機関や介護施設などをつなぐ専門職(プロ)です。
この方達に相談すると、地域の在宅医を紹介してもらえますので、ぜひ積極的に相談してみてください。
③それら以外の場合
①②以外の方はすべてここに該当します。
上記の方法でうまく在宅医が見つからなかった方はもちろん、もともとかかりつけ医がいなかった方もここに入ります。
これらの方は地域の相談窓口から在宅医を探すことをおすすめします。
具体的には、
・市役所の介護保険担当窓口
・保健所
・地域の医師会
になります。
おそらく一般の方がいきなり医師会に相談に行くのは抵抗があると思いますので、まずは市役所や保健所で相談されるのをおすすめします。
またその他のケースとして、すでに介護保険でヘルパーや訪問看護師が入り、自宅で介護されている方は、普段使われている
・介護支援事業所(ケアマネージャーのいるところ)
・訪問看護ステーション
に相談しても在宅医を紹介してもらえます。
ケアマネージャーや訪問看護師は特にその地域の在宅医をよく知っていますので、あなたにおすすめの在宅医を探してくれる可能性が高いです。
④番外編
あえて番外編とさせてもらいましたが、①~③以外の方法としては、インターネットや本などで探す方法です。
インターネットで「〇〇〇(地域名)_在宅クリニック」と検索すると、たしかに地域の在宅クリニックが検索できます。
しかし、個人的にはあまりおすすめはしません。
というのもインターネット上の情報だけでは、その在宅医の特色(人柄や医療技術、緊急時の対応など)がわかりにくいからです。
定期的に家に訪問診療に来る医者を選ぶのですから、もちろん評判の悪いところは選びたくありません。
無愛想な医者だったり、いざ緊急時に全然対応してくれない医者だったりしては最悪です。
そのためできるだけ、かかりつけの先生や地域の窓口を通して紹介してもらうほうが確実です。
その地域にあるクリニックの先生や病院のソーシャルワーカー、地域の窓口なら、その地域の在宅医の特色をわかった上で紹介先を探してもらえると思います。
ちなみに私が一番おすすめするのは、訪問看護ステーションや介護支援事業所からの紹介です。
訪問看護師やケアマネージャーさんたちは、普段の業務から在宅医と関わることが多いため、良くも悪くも在宅医の力量をよく知っているからです。
機会があれば一度相談してみてください。
今回のまとめ
在宅医(特に在宅医療をメインで行っている医師)を探すには、インターネットや本だけの情報ではなく、できるだけその地域の窓口を通して探すのが確実です。
かかりつけ医や医療ソーシャルワーカー、訪問看護師、ケアマネージャーなど、いろいろな職種の方が在宅医を紹介してくれます。
どの方でも相談すると必ず答えてくれますので、在宅医療を検討された際にはまずは相談してみてください。